鋼のファンクラブ外伝のおまけ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

−−−ここはセントラルの第3研究所地下室……。

 

誰も居ないはずのこの場所に機械のガチャガチャ回る音が響いて居た。薄暗い室内の中には4人の人影が……。

 

 

 

 

 

 

「お父様!早く写真を選んで下さい。」

「う〜む…。どちらも可愛くて、どちらの写真を今回の『No.1』にするべきか…。」

「そんな事は知りません!早く決めて下さい!!

 

黒い長髪をなびかせラストは、机の上の写真を見て悩む『お父様』に見切りをつけガチャガチャ回る機械の傍に行った。

 

 

 

 

 

機械の中から出てくる印刷された紙……。『鋼のファンクラブ【特別号】』と書いてあるその印刷物にミスがないかラストはチェックを入れた。

 

 

「汚れは無いわね…。グラトニー!何しているの?ちゃんと封筒に宛名シール張ってちょうだい!!

「お腹空いた……。これ食べてもいい?」

「ダメよ!宛名シールは食べないで!!後で好きなだけ食べさせてあげるからさっさと仕事片付けてちょうだい。」

 

うず高く積まれた封筒を前にボーっと座るグラトニーは、ラストに怒られたせいか後で食べさせてくれると言われたせいか、封筒に宛名シールを張り始めた。

肩を落とし小さく溜め息をついたラストは、もう1度『お父様』の傍に寄り進行状況を確かめる。しかし、案の定頭を抱えながら唸る『お父様』は、何枚かの写真を眺めながらブツブツと呟くばかりだった。

 

「こちらは笑顔が可愛いし、こちらは生意気そうな目が……娘はいいなぁ〜。」

「……エロオヤジですか?お父様は。早く決めてもらわないと秋の号が間に合わなくなります。」

「だが……こちらの写真も〜。」

「全部載せたらいかがです?」

「しかし……この写真は……。」

「………後で来ます。」

 

 

ラストは考えた。何故、私がこんな事をしているのだろう?賢者の石の製造はどうなったの?だいたいこの『ファンクラブ』を始めたのは『お父様』じゃない!何で私が一生懸命やらなければいけないの?

 

「…これじゃあ、副業が本業になったような物じゃない。」

 

ラストのぼやきに誰も返事を返してはくれず、刷り上る紙を見詰め落込んでしまった。

ふと、エンヴィーを見ると、いかにもやる気のなさそうな表情で深く椅子に腰掛け天井を眺めている。ラストは、エンヴィーの傍まで行き机の上の原稿を覗き込んだ。

 

「エンヴィー!何も書いていないじゃない。決まった写真からコメント書かないと発行に間に合わないのよ!!

「あぁ〜…メンドイじゃん。第一『DJ風爽やか口調』って良くわかんないしぃ。」

「いいからさっさと書いて!真面目にやってよ!!

「……うるせーな『おばさん』」

「何ですって!!

「さっさと書きま〜す。」

 

ラストは小さく舌打ちしながら、もう1度『お父様』の所に行った。

 

「『お父様』決まりました?」

「……人形を抱えた姿も捨てがたい。これも…いいねー!!

「……いい加減にして下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

−−−『鋼のファンクラブ』。根深い物がありそうだ!

 

 

 

 

 

頑張れロイ!!エドワードの未来は全て君に掛かっている。

 

と、思う……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……強制撤収

(Up 2004/09/02)

(改稿 2006/04/09)