surrender unconditionally 【come to life again】 |
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自分の身体が女に変わったからと言って何も変わる事は無かった。 アルフォンスの身体が元に戻ったわけでも無く、俺の右腕も左足も『機械鎧』のままだ。 だから当たり前の様に『俺達の旅』続く。 ……続くはずだった。 南部のダブリスで、師匠に合った時異変に気付いた。何を食べても…いや食べなくても胃がムカムカしていて貧血がおきていた。女の身体は良く解からなかったが、この異変に思い当たる節が合る。 師匠の目が厳しいため急遽ダブリスを離れ、中央に近い街で『もぐり』の医者を探し診察してもらった。 −−−俺の予想は覆る事が無かった。 −−−あの夜はハチャメチャだった。 酔っ払いに他人と間違われ……抱かれた。 大人の男との力の差もあった、女としての恐怖もあった、だから身体がすくんで抵抗は無駄となり気がついた時は事が済んだ後だった。
−−−愛の言葉も優しい気遣いもなく、ただ排出されるだけの行為。 初めての経験が『ヘビー』なモノとなり、しばらくはその気持ちを引き摺り旅をしていた。 ……そして忘れる努力をして……記憶は苦い傷として残り、人に対して平穏に振舞う事が出来るようになった頃『妊娠』と言う形で再び俺を襲って来のだ。 その事が確定した時、全身に襲う恐怖はすざましい物だった。 −−−アルの身体を取るか……即ち『小さな命』を殺すか! −−−アルにこのままで生きてもらうか……即ち『自分の侵した罪』から逃げるか! その夜は、泣いて泣いて…泣き続け……悩み戸惑った。 今まで旅をしながら出来うる限り人を傷つけないよう心がけてきた。 どんな『罪人』だろうと、命を奪う事に抵抗がある。それは、人の命をもてあそんだ自分への戒めでも有ったのだ。
お腹の中には、なんの罪もない『命』がある。 科学的にはまだ細胞分裂を始めたばかりの原始生物。しかし、その小さな生物は意志を持って人間へと姿を変えていく。 立派な『小さな命』なのだ。 ならばこの『小さな命』をこの世界に産み落とせばどうなるか? 余りにも『リスク』が大きすぎる。なによりアルフォンスはどうなる? 今はまだ動く事が出来る。 ある程度の戦闘も熟す事が出来るはずだ。その間は、旅をし続ける事も出来るだろう。しかし、妊娠後期になれば旅をし続ける事は不可能になる。 出産後は、乳児を抱えて旅をする事など論外だ。自分達の旅はそんなに甘くない。いつだって危険と隣り合わせだ。 だから早く旅を終わらせ、平穏な日常に戻りたい。 アルフォンスに早く『人間の感覚』を返してあげたい。 子供を産んだとして直ぐに『施設』に預ける方法があっても、それでは『自分達兄弟』を見るようで……切な過ぎた。
−−−家を出て行った『父親』。 −−−過労の為、早過ぎる死を迎えた『母親』。 母さんから貰った愛情は深い物だったが、幼かったアルフォンスには過酷過ぎる現実だった。 自分達の『おじさん』や『おばさん』には会った事がない。母さんの葬式すら顔を出さなかった。あの時、ピナコばっちゃんがいなければ自分達兄弟は『施設』に預けられただろう。
…自分の子供にもそんな辛い現実を圧しつけるのか? ……『自分の子供』? 気持ちが整理出来始めた頃、日が昇る光景を見て俺は気が付き結論を出した。 その夜、借りた宿舎の部屋でアルフォンスに事態を告白した。 「すまない…アル。1年…いや、1年半待ってくれ。」 ベットに腰掛け俺の向かいに座って居たアルフォンスは、飛び跳ねるように立ち上がり、俺を見下ろす身体が細かく震えていた。
「兄さん!!妊娠したって本当なの?」 「ウソや冗談でこんな事言えないだろ?」 俺は、アルフォンスの反応と帰ってきた言葉に思わず笑顔がこぼれた。余りにも思った通りの反応で、やっぱアルだなー!なんてつくづく感心してしまった。
「笑っている場合じゃないよ!!相手は誰なの?」 そこで俺の表情は固まった。首を横に振るとアルフォンスは悲鳴のような声を上げ俺を説得し始めた。 「知らないってどう言う事?どうして父親も判らない子供を産もうなんて考えるの?」 「父親が誰かが問題なんじゃないんだ。このお腹の中の子供は……。」 俺は自分のお腹に手を添えた。 自分の導き出した答えは『ベター』な選択と信じていた。しかし、いざ口に出すとなると不安が全身を駆け抜けていく。キツク目を閉じまだ自覚のない『小さな命』の気配を探し、気持ちを落ち着けてアルフォンスを見詰めた。
「……このお腹の子供は『俺の子供』なんだよ。それ以上何が必要なんだ?」 「……兄さん。」 アルフォンスに俺の意志が通じたのか、押し黙ったまま俺を見詰めるアルフォンスが優しい声で返事をしてくれた。
「……もう決めちゃったんだね。」 「……あぁ。」 「おめでとう。僕も出来る限り協力するね!」 俺の弟は世界一優しいと思う。 自分の身体を取り戻す旅が中断したのだ。怒りが爆発すると思っていた。しかし、実際はそうではなくて…。 俯く様に頭を下げ、感謝の気持ちを伝える。 「俺、国家錬金術師辞めるから。食べて行けるだけの稼ぎはするから…。時間は掛かるけど必ずアルの身体は取り戻すから…。」 「国家錬金術師辞めるの?」 「あぁ…。出産後、徴集されて戦場に行く様なことがあれば、この子は誰も護ってくれる人が居なくなる。」 「そうだね……その方が良いかもね。」 落ち付き始めたアルフォンスはベットに座り直し俺を見詰めている。表情が読み取れないから、アルフォンスの言葉を待つしかない。
「……兄さん、質問して良い?大佐には何て報告するの?」 最大の難関だった。 俺が妊娠した事を告げれば…国家錬金術師を辞め出産する事を聞けば…確実に『軽蔑』されるだろう。 しかし、決めた事だ。あいつに『軽蔑』され様とどうであろうと、俺は産むと決めたのだ!! 「近いうちに『資格返上』に行って来るよ。……多分、怒鳴られるだろうなぁ。」 「違うよ、僕が言いたい事はそんな事じゃない!兄さん……大佐の事好きなんでしょ?」 俺は、息を飲み込んだまま動けなくなってしまった。 悟られ無い様に……誰にも気付かれ無い様に……奥底に秘めた恋だった。 あいつにとって俺は、『都合の良い』国家錬金術師だから…。それ以上の事は何も無いから…。 この思いもいつか…あいつが結婚して時が経って忘れて行くはずだからと言い聞かせてきた。 「……僕が気付かないと思ってた?多分他の人は気付かないと思うよ。でも、僕はずっと兄さんを見て来たんだ。兄さんの背中を追い掛けて来たんだ!」 「……アル。ありがとう、心配させちゃったな。でも、大佐の事はもう良いんだ。もう……お終い。」 鈍い沈黙が俺の心を切り裂いた感覚がした。 −−−もう、お終い。 −−−この恋は終わりなんだ。 大佐に会ったのはあの日から1週間を過ぎた頃だった。酷い貧血で寝たきりになり、中央に来る事が出来なかったからに過ぎない。 大佐の執務室に案内され、俺はいつもの様に1人掛けのソファーに腰を下ろし大佐を待った。 その時間は異常に長く感じる。一刻も早くこの場を逃げ出したかった。 しかし、いつかはこの時が来る…。苦しい事は早く解決してしまいたい。 重苦しい部屋の空気を割く様に執務室のドアが開いた。 「待たせたな。鋼の。」 聞きなれた声。最初に好きになったのは声だった。 いつもの席にいつもの様に座る大佐。この姿も今日が見納めかと思うと一瞬も目を離したくないと思った。 「悪いな、忙しいのに。」 「……鋼のにそんな事を言われると気味が悪いな。」 俺は苦笑いを浮かべた。 俺の考えが行動にそのまんま出ちゃっているじゃん。それだけ俺に余裕が無いって事だ。 俺は席を立ち、大佐の机の前に歩み出た。そして、大佐の机の上に俺の持ってきた荷物を出した。 −−−『銀時計』と『拝命書』。…国家錬金術師の証。 俺は一歩後ろに退いて、大佐に深々と頭を下げた。 「今まで……ありがとうございました。」 本当は、ここに来るまでいろんなシュミレーションをして来た。こう言おう……ああ言われたら……こう答えよう。
……その計画は大佐の前に立ったとたん見事にぶっ飛んだ。だから陳腐な言葉で別れを告げる事しか出来なかった。 頭を下げたままだったから、大佐の表情は窺い知ることが出来ない。 「これは何の冗談だ?」 大佐の声はいつもと変わらない冷静なものだった。 「……話はこれだけだ。手間取らせて悪かったな。」 「ふざけるなっ!!」 大佐の激昂が執務室を包んだ。 俺は思わず下げていた頭を上げ大佐を見た。 急激に頭を上げたのがいけなかった。頭の中身をわしづかみされた…脳が縮むような感覚に襲われる。 −−−貧血。 視界が斜めに流される。慌てて大佐の机に手を着いて身体をコントールしようとしたが、右膝ががくんと落ちそのまま床に座り込んでしまった。 込み上げてくる吐き気とも戦いながら、俺は『過呼吸』にならない様ゆっくり深呼吸をし始めた。 「鋼の!!…エド!!!」 大佐が駆け寄り俺を横抱きにする。天井に身体を向けるより、身体を横にした方が楽だっから大佐の腕の中で体制を変えた。
「顔色が悪い。医務の者を呼んで来るから……」 「……大丈夫…もう少し…したら……治まる…。」 か細い声で人を呼ぶのを制止した俺を見て、大佐は慎重に抱き上げると長椅子に俺を寝かし付けた。 大佐は床に片膝を着き、俺を心配そうに見詰めている。 少し時間が経つと俺の眩暈も吐き気も治まって来た。長椅子から身体を起こそうとした時、大佐に「まだ顔色が悪い。」と制止されそのまま横になった。
「鋼の。私には『推挙人』として、上部に鋼のが辞める理由を報告する責務がある。……辞める理由はこの事に関係あるのか?」
俺は小さく頭を動かし肯定した。 「医者には行ったのか?」 「あぁ……。」 「診断結果は?」 俺は……この言葉を言うのが怖かった。ウソを並べて大佐を交わそうとしても直ぐに感づかれる。大佐はそんなに『甘い』人物じゃない事はよく知っていた。 「病気じゃないよ……俺……」 「『妊娠』してるんだ。」 大佐の瞳が揺れた。そして、いきなり俺の胸座を掴み身体を起こされた。しかし、急激な移動の為、また俺は眩暈に襲われる。大佐はそれに気付いたのか、慌てて俺の体を支えるとゆっくり椅子に寝かしてくれた。
「……手荒な真似をした、すまない。」 「……いや…誰だって…こうゆう反応……するよ。」 大佐の目を見れない俺は、瞳をきつく閉じ何とか平静さを保とうと努力した。 「……相手の男は誰だ?」 アルフォンスがした質問を大佐もして来る。だから俺は同じように小さく首を横に振ってその漆黒の瞳を真正面から見据え意志を示した。
「誰との子供とも解からずに産むと?」 「問題は『誰との子供』じゃねーよ。『俺の子供』を産むか産まないか…だよ。」 大佐の眉間には深く皺が刻まれている。見ているこっちが痛々しいほどだ。その姿が……自分を気遣ってくれているような気がしてなんだか嬉しかった。
「……その子供を産むと?」 「あぁ……。」 大佐は俺に何かを見たようだった。確信めいた表情に変わり俺に追求してきた。 「エドは……その男を知っているな?」 「なっ……なんで!!」 「エドの性格、そして、今の表情・口調…鋼のがその男を知っているから産む決心をした。そうだろう!!」 俺の身体が無意識にピクンと固まった。 −−−図星だった。 俺はその男を知っている。でも……その事は『墓の中まで持っていく秘密』。 「……私が知っている男か?」 「……知らない。この子の父親なんてわからねーよ!!」 俺は大佐を見て必至に否定した。だけど……大佐は射貫くような瞳で俺を見据え、力の篭った声で俺に言った。 「その男の名は?」 「………。」 「私には知る権利がある。」 「俺は……知らない。」 「言いなさい。」 「知らない!知らない!!……本当に…知らないんだ!!」 お願いだから……許してくれ。 大佐の目が痛い。俺は、両腕で顔を隠し大佐の追求から逃れようとしたが、大佐は小さく溜め息を付いて俺の肩を大きな手で掴みソファーへと押し付けた。
「エド……私が知りたい理由は、上司に報告するだけではない。エドワード・エルリックを愛している1人の人間として知りたいんだ。」
俺の中に電流が走った。 −−−今更だった。今更告白されても……。終わってしまった恋。 何でもっと早くこの言葉が聞けなかったんだろう。 何で俺は大佐に自分の気持ちを伝えなかったんだろう。 悔しくて…悔しくて……涙が溢れそうになる。 「教えてくれ……この子の父親の名前を。」 「………。」 「父親は……私だな。」 思わず大佐を見てしまった。 覚えているはずが無い!あの日、大佐はヒューズ准将の1周期でかなり悪酔いしていたんだ!! −−−あの日、みんなでヒューズ准将の話しをした。 大佐は言葉数少なく、酒を飲んでいたんだ。 そして、1人じゃ歩けないほど酔っ払って…大佐の家迄連れて行くのは大変だからと、俺とアルフォンスが泊まっている宿舎に部屋をもう1つ借り、アルフォンスと2人大佐を運び入れた。 軍服が皺になるとイケナイと2人掛りで軍服を脱がせハンガーに吊るし部屋を出ようとした。その時、大佐の小さい声が俺の耳に入り近づくと『寒い』と言っているのが聞こえた。 アルフォンスには先に部屋に戻ってもらい、俺はフロントに用意してもらった毛布を大佐に掛けた。 毛布で身体を包む様に掛けてあげた時……『アレ』が起こった。 −−−ずっと好きだった奴からの『レイプ』。 心が悲鳴を上げた。 暫らくは大佐に会う事すら怖かった。 覚えているはずが無いんだ!絶対に覚えていない!! 「ヒューズの追悼の日、私は君を抱く夢を見た。自分自身エドを好きだと言いだせなかった事にかなり煮詰って居たんだ。……朝起きた時、君達兄弟が宿泊していた宿舎に居た。そして、ハンガーに掛かった軍服。それと……床に落ちていたこれ。」
そう言って、大佐はポケットの中から髪留めのゴムを俺に見せた。 「あの日エドがしていた『赤いゴム』。そうだな!」 「あっ……。」 俺は何も言い返せなかった。ただただ溢れる涙が俺の声を奪って行った。 「エド……もう1度聞く。この子は私の子供だな?」 「……大佐に迷惑は掛けないから。俺の問題だから……。」 「……その父親を愛しているから生む決心をしてくれた。そうだな!」 大佐の声はその言葉通りにと切に願う響きを含み、俺はかみ殺していた嗚咽が漏れ…限界に達していた。 「……そうだよ。その人が好きだから……だから…産む決心をした。そいつに『認知』してもらおうなんて思っていない。だから……安心してくれ……。」
−−−俺の完全降伏だ。 これで『産むな』と言われても俺は引き下がらないだろう。だけど…父親が誰なのか言った時点で俺の計画は失敗したのだ。 大佐の腕が俺に伸びる。 優しい腕が俺を包む。 「ありがとう。私の子を産む決心をしてくれて。エドワードの旅を邪魔する事になってしまったな。…私は、出来る限りの協力を惜しむつもりは無い。……結婚しよう。一緒にこの子を育てて行こう。」
大佐の言った言葉がゆっくり俺に染み込んで来る。 「愛しているよ…こんな形で君を追い詰めてしまった事を詫びなければならないのだが、私は嬉しくて仕方が無い。」 「……俺は…俺は…。」 俺は…大佐に迷惑を掛けたくないから黙っていようと決心したのに。でも、大佐の優しい腕が…あの時無かった愛の言葉が…俺の決心を脆くも崩れさせた。
「大佐……ゴメン。勝手に決めてゴメン。大佐に迷惑を掛けるつもりは無かったんだ。」 「私こそすまなかった。あんな事をしてしまって…エドに何と謝ればいいか。」 「本当にゴメン……。」 「順番が入れ替わってしまったが、これからゆっくり恋愛をして行こう。私達が幸せになる為に。」 「大佐……。」 こうして………俺は、『完全降伏』と言う代価に『幸せ』を手に入れた。 小さいけれど掛け替えの無い『完全幸福』。 「出発の準備が出来たみたいだな。」 「あぁ、悪いなせっかくの非番の日に子守りさせて。」 「その格好を見るのは1年ぶりだな。」 「そうか?もうそんなに経つのか…。」 俺は今日、2泊の予定で地方の名のある錬金術師に会いに行く事になっていた。 俺が出産してからは、通常ロイが持って来てくれた情報をアルフォンスが確認する作業。俺は、子育てをしながら文献の整理をしたり、新しい『構築式』の研究をする事になっている。 しかし、その男の所にアルフォンスが尋ねて行ったが『聞きたい事があるのなら本人が来い!!』と追い返されてしまった。
だから…出産後始めて、俺は旅に出る事になった。 鏡を見ると、黒の上下の服・三つ網……。『国家錬金術師 エドワード・エルリック』の姿がそこにある。 俺の足元には、まだ『ハイハイ』をしている小さな息子が居る。ロイは息子を抱き上げ、俺の側に立った。 「出来るだけ早く帰ってくるよ。こいつ…寂しがるから。」 俺は息子の髪を触りながらロイに微笑んだ。 「……私も寂しいのだが。」 ロイは、執務室で言った言葉を『有言実行』している。 −−−これからゆっくり恋愛をして行こう。 俺は笑いたいのを堪えながらロイに『早く帰るから』と言った。 もうそろそろで、アルフォンスと待ち合わせした時間だ。俺は息子の頬にキスをしてロイと同じ色の髪を触った。 「良い子にしてるんだぞ!パパを困らせるなよ!!」 持ちなれたトランクと赤いコートを掴み、俺は玄関へと歩き始めた。が、後ろから俺の服が引っ張られる。 服を掴んでいるのはロイ。どうしたのかとロイの顔を覗き込めば、ロイは俺の服を掴んでいた手で自分の頬を指差していた。
「………??」 「私にはキスしてくれないのか?」 この発言には流石に笑えた。……手の掛かる14歳年上の主人。本当に息子より手が掛かる。
俺は背伸びをして、ロイの頬にキスをした。 「出きるだけ早く帰るから。」 「……無理をするな。」 「あぁ…行ってくるよ。」 俺は、アルフォンスの待つ駅へと向かった。 旅を始めた時とかなり環境が変わってしまった。だけど、旅の目的は達成された訳じゃない。 大きく息を吸い込み前を見据える。 俺達の旅が再び始まる。 END (Up 2004/08/25) (改稿 2006/04/03) |