報告書シリーズ  それは長〜〜い等価交換

12.その理由。

 

 

 

 

 

 

 

警告!

 

生温いですがR18です。

苦手な方、年齢に達していない方は次へお進み下さい。
この話を読まなくても、本編に差し障りはありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洗練された室内に似つかわしい優雅なキングサイズのベッドで、マッパの男が2人身体を重ね合う。

 

 

 

 

 

12.その理由。

 

 

 

 

 

 

 

半年以上ご無沙汰だった行為に照れがあり、始まった直ぐには身体を堅くして、滑る大佐の指先から生み出された感覚に逃げるよう身体を捩った。

だけど、行為が進んでいけば、恥ずかしいなんて考える余裕は無くなり、ただ押し寄せる覚えがある快楽とその先にある期待に心と身体が泡立つ。

 

本来受け入れる場所じゃない所にジェルを塗られ、その滑りを借りた大佐の指が深く俺の中を掻き回す。堪えても押さえる事が出来ない甘ったるい俺の声が室内に響き渡った。

 

触れ合った胸は、どちらの心音を伝えているのか?

激しく脈打っている。その事すら恥ずかしくて、悪態染みた言葉を恥ずかしい声に混じりながらも口に出した。

 

「いい…加減……ゆび…抜け……よ!エロオヤジッ!!」

「エロ親父とは酷い言い草だな、エドワード。君がイヤラシイ顔をして私を煽る事がいけないんだよ」

 

……大佐も柔らかくも無い俺の身体に欲情しているかと解れば、出て来る言葉とは裏腹に胸が熱くて更に気持ちが高揚してくる。

 

「…エドワード」

 

有り得ない程の欲を含んだ声が俺の耳元で囁かれた。それと同じくしてクチュリと耳内に差し込まれた肉厚な舌先が、卑猥な音と共に俺を犯し続ける。

 

「ん…んあっ!ひっ……っ」

 

ビクリと大袈裟な程身体を跳ね上げる。中を掻き回す指が本数を増し、しこりを掠め強烈な快楽を俺に与えた。

 

「や…だって…!そこ…は…だめだ…!」

「駄目じゃないだろう?今ので君のかわいいここは更に堅くなったぞ」

「実況…すんなっ!マジ…エロイっ!!」

 

眉根を潜めウッスラ瞼を開ける。嬉嬉として俺の表情を堪能していた大佐と視線が絡み合い恥ずかしくてギュッと目閉じた。

 

―――こんな身体喰っても旨くないだろう。

   入れるなら柔らかくて包みこむ女のアソコの方が具合良いだろう。

 

濡れない場所に手間を掛け解きほぐす……。

 

 

 

 

 

情けなくなった

 

 

 

 

哀しくなった。

 

 

 

自分の存在に怒りを覚える。

 

 

 

何故、自分は男なんだろう?

何故、自分は同じ世代に生まれて来なかったんだろう?

何故、自分は同じ目的を目指して進まないんだろう?

 

 

 

何故………

 

 

 

 

 

何故、自分はアンタと出会ってしまったんだろう?

 

 

 

 

「……何を考えている?」

 

大佐の声が、俺を呼ぶ。

瞳を覗き込み怖い程真剣な熱視線が、俺を柔らかく拘束した。

逸らさずその黒い瞳を覗き返す俺をどう読んだのか、切なげに顔を歪めた大佐が、額へと小さく口付けを落として来た。

 

「今は何も迷うな。……私を感じていれば良い」

「……いっぱい…いっぱいだ…よ」

 

笑ったつもりの顔は、意図と反しているようだ。

大佐のクサイ科白に感化された様に返した言葉でさえ、哀しみを帯びている。

 

「愛している」

 

陳腐なのに甘く熱い言葉が俺を浸食した。

 

勝手に流れる一筋の涙……。

いっぱい悩み廻り満ちした想い。

だから……もう逃げるなんて卑怯な真似はやめようと誓った。

 

「俺も……アンタが好―――」

 

続く言葉は、大佐の唇で塞がれる。遠慮無く差し込まれた舌を甘く噛み絡めれば、逆に捉えられて全て根こそぎ中に浮かぶ様な感覚が俺を襲った。

大佐の髪を掻き抱く。抱き締められていた腕に力が籠り、更にキツク抱き締めて来る。

時が止まり、この世界に自分達以外誰も居ないようだ……。

 

再度俺の後ろに手が滑って来る。

差し込まれた指に鎮火した熱が再び生まれて来た。

 

「あっ!―――待てっ!!……出るっ!」

「イきなさい……何度でも……」

「あぁぁぁぁ!!」

 

 

 

「………」

「………」

 

ゼーゼーと息を整える。

自分でも目に涙が溜まっているのが解かって悔しい。

恨めしく大佐の顔を見上げれば、ニッコリと極上の笑みを見せる馬鹿大佐が…。

 

「……ひで〜…俺ばっかり………」

 

この後続く言葉は俺の口の中でゴニャゴニャと潰されている。そりゃそーだろう!先に2回もイかされて男として黙っている訳にはいかない。けど、恥ずかしいだろう!!

と心の中で逆切れだ。

 

「そうかい?それならば私も楽しませてくれ」

「!!!」

 

向かい合い抱き合っていた身体をシーツに押し付けられて、左膝裏に大佐の腕が回ってくる。そのまま足を抱き上げられて本来モノを受け入れる場所ではないアソコに大佐の凶器としか言えないモノが押し当てられた。

 

「――― ック!!」

「息を…吐いて、力を抜くんだ」

「やっ…てるっ!!」

 

久し振りなんだからそんな注文は無理!!って感じで、異物感を拭えずズブズブ遠慮無く入り込んでくるモノを背中が反り返る程の快楽と苦しさの中、俺は受け入れた。

 

「あ…あ…ああ…!!」

「全て入ったよ」

「…………」

 

 

だから、実況中継するなっ!!

 

 

俺が弛緩するのを待って、大佐はゆっくりスライドを始める。

引きずり出されて生め込まれる何とも言えない感覚が、俺を高みへと向かわせる。

 

「たい…さっ!う…あぁ……」

 

話したい事があるのに言葉が意味を成さない。

 

「……エドワード」

 

感じているのだろう大佐から、溜め息交じりで俺の名が口に上る。

 

 

 

重ね合うのに交じり合わない俺達の身体。

それは、俺達の生き方にも似ていて……滑稽だ。決して一つには成れない。皮膚一枚が邪魔をして俺達は交わらない。

俺が大佐に成れ無いように…、俺が大佐の傍に居れ無いように……。

何処までもお互いなのだ。

でも、重なり合いたい。

理由なんて要らないんだろう。この人にとっては……。

この男同士の行為の意味などこの大人にとっては理由付けする事さえ無いのだろう。

何処までも自分に偽りが無い大佐だから……。

 

ガツンガツンと最奥を突き上げられて、俺は大佐の肩に手を置き身体を捩りその快楽から逃げをうつ。

苦しくキツク……甘い。

 

「も…もう……」

「あぁ、先にイって良いよ」

「…い……ヤダ、アンタも!!」

「そうだね……一緒に」

 

スピードが上がり打ち付ける強さが増す。

 

 

 

 

 

 

 

そうして俺達の夜は続く………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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